@article{oai:unii.repo.nii.ac.jp:00000265, author = {波田野, 節子 and Hatano, Setsuko}, journal = {朝鮮学報}, month = {Jan}, note = {application/pdf, Journal Article, 本稿は、文学者の戦争動員が本格化した植民地時代末期の、崔貞煕と池河連の創作活動を考察することにより、植民地主義と女性文学との関係を明らかにすることを目的としている。植民地状態からの解放と家父長制の抑圧からの解放という二つの目標を同時に追求した植民地の女性にとって、(女性主義)と(民族主義)はともに受容し妥協させていかねばならない多面的な対象であった。崔貞煕は、(国策)とあまり関わらない男女の恋愛を主題として、現実順応型の父系中心主義と(母性)が勝利する小説を書き、その延長線上で(国策)に呼応する(銃後の婦人)のさまざまな姿を描いた。一方、(国策)とは無関係のように見える男女の恋愛問題をあつかいながら男性の自己中心主義と彼らの現実妥協的な姿勢を批判した池河連は、つづいて植民地末期を生きる知識人の姿勢を問題にした作品において、無為の人生を選択して社会から自分を閉め出す憂鬱で絶望的な人物を愛情をこめて描きだした。男性中心主義によって現実に順応した崔貞煕が植民地末期に軍国の母性の称揚へと向かったのとは対照的に、女性の自律性を擁護した池河連は、外部との関係を断ち切って自らを幽閉する憂鬱で病弱な人物の内省的な世界を掘り下げてから、結局、絶筆することで(時局)に対する非協力の姿勢をつらぬいたのである。このように崔貞煕と池河連の作品世界を比較することで、植民地において女性主義的意識に忠実であることが、民族意識の確かさへとつながることが明らかになった。}, pages = {91--124}, title = {植民地主義と女性文学の二つの道 : 崔貞煕と池河連}, volume = {202}, year = {2007}, yomi = {ハタノ, セツコ} }